5億円の赤字となったカシオのデジカメ事業
カシオのデジカメ事業が5億円の赤字となり、
コンパクトデジタルカメラの事業から撤退するそうです。
ソースは日経新聞、ITmedia NEWSなどのウェブニュースです。
ただ、カメラ事業自体は続ける方針で、
高級カメラに特化するとのこと。
カシオの2018年3月期(17年4月〜18年3月)通期の
連結業績予想は約3140億円で、予想から360億円減。
その主な理由は、
・コンパクト市場の激減によるデジタルカメラ事業の戦略転換
・楽器の事業構造の見直し
でした。
デジカメの最先端を走ってきたカシオ
カシオといえば、エクリシム(EXILIM)と
いうくらい有名でした。
歴史を紐解けば、カシオは常にデジカメの先端を走っていました。
1994年には大ヒットデジカメ「QV-10」を発売(写真はウィキより)。
・撮影画像をすぐに確認できる液晶パネルを搭載(世界初)
・パソコンと接続できてすぐに取り込めた
・ライブビューモニタが活用できるよう、レンズ部分が回転
・当時デジカメで6万5,000円は破格の安さ
といった特徴を持っていました。
そして、2002年には世界最薄カードサイズの
EXILIM EX-S1を発売(写真は後継機種のEX-M2)。
小型軽量、薄くて使いやすさをウリに
次々とヒットを飛ばしていきます。
その後はズームレンズを搭載したEXILIM EX-Z3(2003年)、
動きがスローで見えるハイスピードムービーを搭載した
EXILIM EX-F1(2008年)、
カメラとコントローラーが分離するEXILIM EX-FR10(2014年)など
常に新しい技術を導入していたことが分かります。
スマホに取って代わられたコンデジ
QV-10の基本コンセプトは
・ビジュアルメモ
・ビジュアルコミュニケーション
・ビジュアルデータバンク
だったのですが、現在ではスマホで実現できてますね。
それまではスマホやガラケーのカメラの性能がいまいちだったのと、
カメラを使うと電池が早く消耗するのでコンデジを使う人が
多かったのです。当時(1990年代末〜2000年初頭辺り)の
コンデジの特徴といえば、
・小型軽量
・持ち運びに便利
・3倍程度のズームと簡単な動画撮影が可能
といったスペックでした。
しかし、スマホのカメラの進化により、
コンデジで撮影→PCに取り込む→修正や加工→
ネットにアップロードといった手順が、スマホなら
スマホで撮影→アプリで加工→SNSにアップロードとなり、
スマホだけですべてが完結するできるようになったのです。
また、これまではスマホのカメラではズームが搭載されていなかったのですが、iPhone Xでは2倍光学ズーム/10倍デジタルズームが
実現していて、従来の安いコンデジをも凌駕しています。
そうなると、安いコンデジを持ち歩くメリットがほとんどない。
こうして、コンデジの売り上げは激減、あっという間に
オワコンになってしまったというわけです。
カメラメーカーは高級コンデジ路線へシフト
こうなる前にフジフイルムやオリンパス、キヤノンなどの
メーカーは早めに手を打って、高級路線にシフトしていきました。
例えばフジフイルムのX100Fは、
・APS-Cサイズのイメージセンサー
・ハイブリッドビューファインダー
(光学ファインダーと電子ビューファインダーの切り替え可能)
・高速画像処理エンジンを搭載
という形で、高級コンデジで人気を博しています。
そのお値段、なんと10万円超え!
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FUJIFILM デジタルカメラ X100F シルバー X100F-S
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X100Fのご先祖様に当たるX100やX100S、X100Tなどは、
アニメにも登場しています。当ブログでも色々紹介してきました。
人気がありますね。
ヤマノススメ セカンドシーズンに出てきたカメラ
繰繰れ!コックリさんに出てきたカメラ
トリニティセブンに出てきたカメラ
ばらかもんに出てきたカメラ
妖怪ウォッチに出てきたカメラ(2)
生徒会役員共*に出てきたカメラ
オリンパスは山や海、岩場、雪の中でも使えるタフなコンデジ、
TG-5などを発売しています。
パナソニックは180度チルト対応タッチパネルモニター&
4K、光学30倍ズームを搭載したDC-TZ90、
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Panasonic コンパクトデジタルカメラ ルミックス TZ90 光学30倍 シルバー DC-TZ90-S
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パナソニック LUMIX DC-TZ90-S シルバー |
ニコンは光学60倍ズームと大画面バリアングル液晶モニターを
搭載したCOOLPIX B700を発売しています。
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Nikon デジタルカメラ COOLPIX B700 光学60倍ズーム 2029万画素 ブラック B700BK
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ニコン COOLPIX B700 ブラック |
こうした機種は
・高級感
・高画質
・高倍率ズーム
・過酷な環境で使用可能
といった形で、それまでのコンデジにはなかった
付加価値がついていて、それなりに評価を得ています。
これからコンデジはどうなる?
安いコンデジはほぼスマホに駆逐されてしまったので、
高級路線へのシフトは必然のように思います。
では、これからのコンデジはどんな風に発展していくのでしょうか?
高級路線といっても、カメラメーカーはさらに上位機種である
一眼レフやミラーレスも出しているので、性能が被らないように
差別化を図らないといけないのが現状です。
そのため、
全体的には一眼レフ以下のスペックでありながらも、安いコンデジやスマホのカメラよりも全体の性能をかさ上げしつつ、最大のウリとなる特徴の一点突破(=一眼レフにない特徴)という路線でいくのではないかと思います。
例えば、画質については従来の機種で主流だった小型の1/2.3型ではなく、
APS-Cや1インチの大きいイメージセンサーを
搭載しつつ、光学ズーム100倍(=一点突破の特徴)の
機種を発売するとか。
強化した8Kの映像エンジンを搭載して、
シャッターを切るのではなく録画したままにしておいて、
映像撮影後に液晶で映像を再生しながら、良さそうなところで
画像を切り出すとか。
これに近いのは、パナソニックのDC-TZ90が搭載している
「4Kフォトモード」機能です。
秒間30コマ連写の連続した撮影、長時間の連写、
シャッター音が消せるといった形でシャッターチャンスを逃さない
のが特徴です。
フォーカスポイントを瞬時に算出して手前や奥に自在に
選んでいくつも撮影してくれるフォーカスセレクトとか、
LYTRO ILLUM(ライトロ イルム)が実装して話題となり、
DC-TZ90にも搭載されていますが、現在では
iOSのアプリ「Focos」でも可能となっています。
あとは、小型のレンズ部分と本体を切り離してWi-Fiや
Bluetoothで接続し、カメラ部分は眼鏡や帽子、胸ポケットなどに
装着して映像を撮影、後で写真として切り出すようにするとか。
振動に対する補正機能を強化する必要がありますね。
やり方はいろいろあると思いますが、要するにスマホや
一眼レフでは実現しにくい機能で、私たちが便利で
使いたいと思うものを出していく、ということです。
ただ、ネットとの連携だけを強化したものはダメでしょう。
今までもそういったものが出てましたが、利便性という点では
スマホに到底及びませんので。
今まで使ってきたカシオ エクシリムEX-V7。
なんとか撮影はできるものの、
「レンズエラー2」が出るんですよねぇ。
なんとかならんものか……。
コメント
でも、カシオの高級カメラと言うのは正直あまりピンと来ませんなぁ。
カシオのデジカメで最後に話題になったのはEX-TR100とか150くらいしか記憶にありません。
EX-100はちょっと惹かれたのですが、あれもそんなに売れたと言う話は耳にしなかったです。
そうなんですよ、カシオのデジカメはあまり高級なイメージはないので、これからブランドとしてどういう路線で行くのかが気になります。EX-100はブラケット撮影できるのがウリでしたが、需要があるかといわれると……な感じでした。
カシオは本体の性能より、
コラボモデル・限定カラーのイメージだな。
「エクシリム コラボ」で画像検索すると
山のように出てくる。
ビック・ヨドバシ等、特定の流通向けの本体カラーもあったなぁ。
確かにそうですね。アニメとコラボして
アニメキャラと一緒に自撮りできる、
なんても出してましたね。
こうした宣伝も大事なんでしょうが、
技術的なアピールがもっとできていれば
よかったのかもしれません。