第1部:「インカ族の来襲」
第3回「大都会の戦慄」より。
原因不明の疫病が流行し、
どの病院の病床も一杯になってしまう。
救急車で運び込まれた急患も断られてしまう。
街の人々が、電気屋さんに置いてある
ラジオに耳を傾けています。
ニュース番組のようで、こんなアナウンスが。
「原因不明の疫病による患者は増加をたどる一方で、
都内に発生した患者は既に1万人に達しました。今のところ、
この奇病に対する治療法は発見されておりませんが、
当局でもあらゆる科学者や医者を動員して、その対策に
あたらせております」
う〜ん、どこぞの疫病の流行に似てますな……。
60年前にコロナウイルスが蔓延することを予知していたかのようなお話。
ラジオは現在ではテレビ、インターネットのニュース、SNSといったメディア、
ラジオに群がって話している人々は一般大衆、現在では
スマホやPCで情報を送受信しているユーザと考えると
今の昔もその構図は驚くほどよく似ています。
こちらがラジオの裏側。
拡大しました。
これは、ナショナル(National/現:パナソニック株式会社)の
高級ラジオ、AM-390シリーズが近いと思います。
上の写真はAmazonに掲載されていたAM-390G。1960年発売。
真空管ラジオ 2バンド(MW/SW)、
5球スーパー、ステレオを意識した2スピーカータイプです。
AM-390は1959年、皇太子御成婚に合わせて
発売されたため2スピーカーにかけて「カップル」と
いう商品名になっています。
ただ、初期型はスピーカーの中央に入っているラインが
途中で切れているので、番組内で使われているのは恐らく
新型のAM-390GもしくはAM-390GEではないかと思われます。
ナショナルキッドは、名前の通りナショナル(松下電器)が
スポンサーになっているので、番組内に登場する
家電やオーディオはナショナル製のようですね。
また、当時はラジオやテレビは比較的高級品だったので、
一家に1台というよりはまだ街頭テレビや電気屋さんなどで
ラジオを聞くという習慣があったのでしょうか。
特撮を見ていて面白いのは、放送当時の日本の様子が垣間見えるところ。
この『ナショナルキッド』は1960年放送開始ですが、
さらに10年(1970年)、15年(1975年)と経るにつれて
大きく様変わりするんですよね。
(amazon)
(楽天)
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