幕末義人伝浪漫の三味線の構え方がひどすぎて絶望した!

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ルパン三世みたいなキャラクターが活躍する空想時代活劇、
第1話「ババンと小判が、大盤振舞!」より。

キャラクター原案はモンキー・パンチなので、
ルパン外伝を見ているような雰囲気ですね。
それはともかくとして、オープニングに三味線演奏のシーンが出てきました。
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これも、『じょしらく』と負けず劣らずひどい……。
「絶望した!」と声を張り上げる気にもならない私……。

『じょしらく』をご存じない方は、以前のエントリー
じょしらく・空琉美遊亭丸京による三味線の撥の持ち方がひどすぎて絶望した!を参照してください。

まずは撥の持ち方。
じょしらくのエントリーでも掲載しましたが、もう一度。
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小指だけこんな感じにします。
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それから、撥の上げ方。
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大阪や京都で盛んな地歌は、盲人(目の見えない人)が演奏していたこともあって
撥を持ち上げるのを避ける傾向にあります。というのも、撥と弦があまり離れない方が失敗せずに済む(弦に撥が当たらない、いわゆるスカ撥となってしまう)からです。しかし、長唄や端唄といった三味線ではこれくらいまで撥を上げてから、振り下ろします。
特に長唄は合奏になるので、息が合わないと音が鳴るタイミングがずれてしまいます。そのため、撥の上げ方を統一して、ズレを防ぐ必要があるのです。
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それから、演奏者の構え。
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これを描いた人は、おそらく津軽三味線の構えをもとに描いたのではないかと思います。その理由は、棹の角度がかなり高めだからです。
ネットで検索すると、津軽三味線の構えや奏法がたくさん出てきますが、津軽三味線が生まれたのは幕末とされています。流行の伝播には時間がかかる上、津軽三味線がここまで知名度を上げたのは戦後、高度経済成長期以降の話ですから、津軽三味線のような構えをするのはおかしいことに気がつきます。

楽器のバランスも悪いですね。天神、乳袋、糸巻きが大きすぎますし、
一般的には使わない小指は丸めて見せないようにするのが礼儀です。

撥が折れ曲がっているように見えるのは、棹は身体より外側に向かっているのに
天神に向かうに従って棹の角度が身体寄りに描かれているからです。

こういう風に書くと、「三味線アニメじゃありません」「アニメだから何やったっていいだろ」と書き込んでくる人が、じょしらくのときにかなりいらっしゃいました。そんな方には、『薄桜鬼黎明録』第9話を見ることをオススメします。三味線アニメでも萌えアニメでもないのに、かなりがんばって描いているのがわかるはず。

面倒な方向けに、どれだけがんばって描いていたかがわかるよう解説したものを載せておきます。
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比べてみてください。
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こんなひどい描写、見てるこっちが恥ずかしいわー。

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