第5話「サムライハート」より。
バッティングセンターで陽和が出会った少女、橘雪乃。
雪乃は170kmの速球をホームランにする強打者で、さらにソフトボールのキャッチャー経験者。
純華の全力投球を受け止め、的確なリードをできる雪乃に、陽和たちは勧誘の熱を強めるが、雪乃は「家庭の事情」でチームには参加できないと断る。
雪乃が抱える事情とは……。(公式サイトより)
第5話で登場したのが橘 雪乃というキャラクターです。
プロフィールはこんな感じ。
剣術道場「橘流」の跡取り娘であり、家庭の事情で陽和たちからの勧誘を一度は断ったが、「橘の剣で友達を守り、自分と友達の道を切り拓く」という決意のもと、「RISE」のメンバーとして活動していくことを決める。
中学時代はソフトボール選手で、キャッチャー経験者で強打者。野球では純華とバッテリーを組んで活躍するほか、他競技では守備系ポジションで実力を発揮する。
芸能活動は未経験だが、幼少時の稽古のおかげで歌唱や音楽に造詣があり、陽和のサポートも行う。(公式サイトより)
そんな彼女は、長唄三味線も習っていたのだとか。
そんなカットがこちら。
ちょっと色々とおかしいですが、
背景がおかしいのはひとまず置いといて。
よく見ていくと、三味線の構えは
結構頑張って描いているように思えます。
拡大しました。
ただ、致命的なところがあったので解説します。
良いところ
○棹の角度は約32度
長唄演奏者では平均的な角度です
○左手の親指が棹に対して垂直になっている
どの勘所に行っても親指は棹に対して垂直です
○スカートの上に楽器を置いていない
スカートはパンツと違って固定できないので
スカートの上に置くと滑ってしまう
今ひとつなところ
△二の糸の糸巻きの高さが耳よりも少し低い
耳の高さにあるとバランスが良くなります
△指が寝ている(=指の肉で勘所を押さえている)
指の肉ではなく爪で押さえるので
爪を立てるような描写になります
△生足に直接楽器を置いている
一般的には、楽器が滑らないよう、
手ぬぐいなどを両膝の後ろで挟み、
ゴム敷きなどを敷いて楽器を構えます
△海老緒が平べったい
もう少し丸い感じです
△乳袋が大きい
もう少し小さくても良いと思います
△胴掛けが描かれていない
一般的には、演奏時に胴掛けをつけます
×致命的なところ
×撥の持ち方がおかしい
右手の小指は内側に入れます
この持ち方だと不安定になり、いい音が出ません
似たような構えで実際に弾いてる人がいます。
人気YouTuberのDavie504氏が三味線を弾いている
動画を見て下さい。
この方はベーシストなので仕方ないのですが、
勘所を指で押さえてますね。これだと響きません。
フレットレスベースが弾ける方なので、
勘所(=音程)はしっかり取れてますが
音がこもっていてボコボコしてます。
しかも二の糸がない……。
そして撥の持ち方も見よう見まねで弾いてますが、
やはりこれだとチョコチョコと撥を上げ下げしているので
三味線の打楽器的かつ弦楽器の
長所がうまく生かせてません。
つまり、こうした持ち方や構えで演奏することは、
三味線のいいところ「全殺し」になってるんです。
橘 雪乃の構えは、撥の持ち方さえ
しっかり描けていれば、かなり違った印象になったはず。
実に惜しい……。
これは前回のエントリーでも紹介した
『薄桜鬼黎明録』の第9話です。
アニメでも健闘している描写もあるんですよ。
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