今回のトップ画像は、オープニング最後の1枚絵、猫が一杯出てくるシーンです。
放送だとスクロールしてすぐ消えてしまうので、こうやって見てみると
なかなか壮観ですね。
番組のオープニング(OP)に出てくる
丸京の三味線の構えを見ると、
違和感を感じるとのご意見を頂きましたので、
これを機会にオープニングも見ていくことにします。
主に気になったところは写真にも書いてますが、こんな感じです。
天神部分が大きい
糸巻きのある部分は天神というんですが、その先端部分は「海老尾」(えびお)といって、海老のしっぽのように丸まっています。ちょっと大きめですね。さらにこのイラストだと、手前側に丸まっているようにも見えますので、天神の中でも、海老尾の描写に改善の余地あり、ということです。
棹を左腕で支えている
私も最初はこんな風に構えてました。ギターみたいに左腕を使って棹を支えるのは間違いで、実は左手は添えるだけ。三味線の演奏は、実は右腕と右手が非常に重要な役割を担ってます。例えば、こういう風に左腕で支えていると、困ったことが起こります。それは、三味線の糸は絹糸で、伸びやすいため、しょっちゅう調弦を直す必要があるんです。そのとき、当然ながら左腕を離して糸巻きにもっていきます。そのとき、支えがなくなるので、棹が倒れてしまうんです。そうならないようにするには、右腕と太腿でしっかりと胴を挟んで固定する必要があります。
小指を丸めていない
小指をほとんど使うことがないのは、以前にもお話ししました。しかし、小指をたてたり目立つ形で見せないようにするのがマナーと言うことで、丸めて目立たなくするのが一般的です。
親指が棹に対して直角になっていない
親指が棹に対して直角になるように構える、というのは前回もお話ししました。傍目には全然重要そうに見えないことでも、演奏する側にとっては非常に重要、ということも結構あります。
棹の角度が高い
計測してみたところ、棹の角度は約40度でした。
一般的な三味線演奏者にとっては高めで、津軽三味線の演奏者の構えにしては低めの角度です。
高度成長期に独自の発展を遂げた津軽三味線は、さらに高い角度で構えます。楽器がかなり重いことや、津軽三味線を広めた高橋竹山あたりが高めに構えていたこともあって、現在では棹の角度を高めに構えるのが一般的となっています。
津軽三味線以外の三味線演奏者の棹の角度は、32度くらいが最適です。
以前、劇場などで活動しているプロの演奏者300名以上の棹の角度を計測してまとめたことがあったんですが、そのときの平均値が32度、最頻値が33度でした。
中には低い人は19度とか、高い人は40度近い人もいました。ただ、大半は29〜36度くらいの角度で構えています。
手首の曲がり方がおかしい、右腕が胴掛けから浮いている
手首の曲がり方は、素人目に見ても明らかに変ですね。
こんな曲がり方はしないと思います。
右腕は、先ほど述べたように太腿の間に胴を挟んで固定する重要な役割を持ってます。ギターと同じ感覚だと、なかなかイメージがわかないんですが、ギターにはくぼみがあって、そこに太腿をはめ込む形で構えればよいのです。しかし、三味線は丸みを帯びた四角形なので、固定するのがすごく難しい。そのため、太腿の上にゴム敷きを敷いて、すべらないようにしています。こうした方法で構えているのに、右腕が浮いていると違和感を感じるわけです。
撥の持ち方が違う
これも以前指摘したところですので、省略します。
根緒が描かれていない
これも沖縄の三線や、ギターと同じ感覚で描いているようです。中子先(なかごさき)に太い糸をうねうね巻いた根緒(ねお)というものがあって、これを使って弦を張り、糸巻きを使って調弦します。
胴を置く位置が違う
三味線の胴は、右太腿の外側に置くようにします。すべりやすいのでこういう風に置く人も多いんですが、滑り落ちないよう右腕でしっかりと固定します。
こういった問題点を踏まえ、より適切な構えを実現すべく、こういう風に構えるといいよ、というのを提案します。それがこちら。
棹の角度は約32度、右太腿の外側に胴を置くようにします。
こうすると、かなり見栄えが良くなります。
なぜこうすると見栄えが良くなるのか、という理由付けと、こうした方がよい、という判断するための手段がそれなりにあるんですが、それはまたの機会ということで。
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