第9話「期末試験!」より。
唯が近所のおばあちゃんに頼まれて、演芸大会に出場することに。
あずにゃんも参加することになり、川辺で練習しています。
ろうそくの火を消さずに歌うんだよ、と唯。
あずにゃんは何のことだかさっぱり分からない様子。
ろうそくの火を消さずに歌う、というネタは民謡歌手、金沢明子さんの得意芸でした。
父親から特訓を受けた、と昔テレビで話してたと記憶しています。
(以前、日東あられのCMがYouTubeに上がっていましたが、現在では削除されています)
唯が歌っていたのは、富山県東礪波郡(ひがしとなみぐん)の民謡「こきりこ節」です。
五箇山(ごかやま)で歌われているものは、こんな感じです。
こきりことは、2本の竹の棒を打ち鳴らす楽器のことで、中世にはこれを用いて歌ったり踊ったりする芸能が流行していたそうです。
動画では、びんざさらを打ち鳴らす様子も見ることができます。
ザラザラッという音を立てる楽器で、中世の芸能、田楽(でんがく)などでよく用いられていました。
江戸時代、1817年頃の本にこきりこ唄が登場するので、この時期にはこきりこ唄が
五箇山で歌われていたことがわかります。
デデレコデン! と無理矢理歌うあずにゃん。
この姿に萌えた人も多いと思われます (笑)。
当日、いよいよ本番という時に唯は疲れがたまってたので寝ています。
演芸会場で、唯たちの前に演奏していた津軽三味線は
青森県西津軽郡の民謡「鯵ヶ沢甚句(あじがさわじんく)」のようです。
実際に演奏している人がいます。この人の演奏はピッチがかなり不安定(=つまり下手、ということ)ですね。
鰺ヶ沢は津軽藩の入り口として栄えた場所で、七七七の盆踊り唄が酒席で歌われ、それがいつしか七七五の鰺ヶ沢甚句に転化したといわれています。
現在演奏されているものは、成田雲竹(なりたうんちく)と高橋竹山(たかはしちくざん)が手を加えているものです。本来はもっと素朴な唄だったといわれています。
そしてこの津軽三味線は、東(あずま)さわり(東ざわりともいう)がないタイプを使っているようです。
三味線の独特の音色は、さわりの音にあります。一の糸を弾くと、「ビィーン」というノイズに似た音がします。これがさわりで、音色が複雑になります。
このさわりは、楽器によってつきやすいものとそうでないものがあるため、人工的できるよう工夫が凝らされた結果、東さわりというものが考案されました。
これは一の糸に金具を取り付けて、さわりのつき具合を調整できるものです。
楽器の後ろに金具があり、このねじをまわして調整します。
アニメでは描かれていませんね。
でも、糸巻きを見ると分かりますが弦も描かれていないようです。
ひょっとしてエア三味線?
でもちゃんと音は出ていたので、エアということはなさそうです (笑)。
音も打ち込みではなさそうですね。
現在放送中の「さらい屋五葉」では、BGMに出てくる三味線の音は本物の楽器の演奏ではなく打ち込みなので、聴いててとても気持ちが悪いのです (笑)。
あと、「バカとテストと召喚獣」では、アコーディンがフンカフンカした後に三味線の演奏がでてきますが、こちらも打ち込みですね。
聴き分け方は、後で述べる「さわり」の音のあるなしと、均一化されたサウンドか否か。
同じ高さの音でも、三の糸の開放弦と二の糸を押さえて出した音は異なって聴こえますからね。
唯とあずにゃんということで、デュオの名前は「ゆいあず」に決定。
2人は着物を着てますね。
着物を着てたすきがけをしていますが、これはギターに着物の袖が当たらないようにする配慮からだと思われます。が、見栄えは良くありません。
楽器はここではギターですが、演芸大会ということで三味線に持ち替えると、
「こまどり姉妹」の出来上がり。
動画はこまどり姉妹の「ソーラン渡り鳥」です。
https://youtu.be/VWBbtcEGoTw
おそらくこの格好はこれが元ネタでしょう。
頭のリボンも、シングル「こんにちは人生」のものに似ているような気もします。
かしまし娘という線も考えたんですが、こちらは3人組で三味線は1人、ギター2人なので外しました。
こまどり姉妹は昭和30年代に大人気となった双子のデュオです。
2009年にドキュメンタリー映画『こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』が公開されているので、タイムリーなネタだったのではないかと思います。
映画の公式サイトはこちら。
ハリセンを使ったツッコミは、
玉川カルテット とかがいましたね。ただしこのハリセンはちょっと小さい。
アニメの大きさからすると、チャンバラトリオの方が近いですかねぇ。
コメント
こんにちは、書き込みありがとうございます。第3話の「あれ」ですね。もう少しお待ち下さいね。