第2話「回想のロンド」より。
演奏旅行で上海を訪れたユダヤ人ヴァイオリニスト、クライネフ。彼が某国の諜報員だという疑いがあり、その証拠を掴むため行動を起こす桜井機関の四人。クライネフの握っている情報を能力で探ろうとする葛と棗。雪菜と葵はヴァイオリンを教わるという口実で彼に近付くがやはり情報は簡単に掴めない。そして演奏会当日、ヴァイオリンの音色は葵や雪菜たちそれぞれの過去を浮かびあがらせるように響き始める。(公式HPより)
子どもがフィルムの入ったパトローネ(フィルムが入ったケース)を持ってやって来ました。
誰か人に頼まれてきたようです。
暗室に入り、現像して紙に焼き付けます。
それをある人のところへ届ける……。
こちらは、バイオリニストのクライネフ。
腕は超一流というお墨付きです。
その彼を撮影している人がいました。
望遠レンズですね。
カメラはというと……ライカのようです。
おそらくライカ初の35mmフィルムカメラ、Iaだと思います。
1925年発売、アニメの時代設定は1931年です。
実はこれ、レンズが交換できない機種なのです。
ライカのBタイプでも同じようなデザインのものがありますが、
レンズ交換が出来るようになるのはC型以降になります。
アニメで描かれているこうした望遠レンズがくっついたものはありません。
まあ、アニメだからいろいろできて面白いんですけどね(笑)。
ただ、レンズの外回りは黒ではなくて銀色の方が当時のレンズっぽく見えると思います……。
先ほど紹介したパトローネも、一種独特のものです(出典)。
というのも、現在売られているような形のパトローネが販売されるようになったのは、
1934年。それよりも前に発売されていたライカのIaは、ロール状の長いフィルムを買ってきて、パトローネに詰め替えて撮影していました。
ボタンのようなものがついていますが、これはフィルムを装填してカメラのふたをしめると
横のスリットが開くようになっています。
欲をいえば、くぼんでいるところにボタンのような形でつけてあると
もっとそれらしく見えたのですが……。
こういった細かいところにも気を遣って、調べて描いていることがよく分かります。
この機種は、は以前紹介した「青い文学シリーズ」の「人間失格」にも出てきましたね(『青い文学シリーズ』「人間失格」に出てきたカメラのエントリー参照)。
描写は「人間失格」の方がより細かいところも再現しようとしていますね。こうした比較ができるのも、本ブログならではの特徴かと(笑)。
コメント
軍とかの技術は世の中より常に10年進んでるらしいから、あながち間違ってないんじゃね?
このライカの望遠レンズ付きは当時は特注で別会社のレンズを付けて販売されてたんですよ。コアなライカマニアでないと分からないところまでアニメスタッフが拘ってるのを知って感動です。
すばらしいブログですね。実に面白い!ありがとうございました。
goldenさん
はじめまして、書き込みありがとうございます!
望遠レンズ付きライカの話は、初めて聞きました。
私はライカにはあまり詳しくないので、
とても参考になります!
意外とアニメにライカのカメラが出てるんですよね。
やはり、スタッフにカメラ好きの人がいるからなんだと思います。