9月26日に第1巻のブルーレイとDVDが発売される「じょしらく」。
以前、じょしらく・空琉美遊亭丸京による三味線の撥の持ち方がひどすぎて絶望した!というエントリーを書いたところ、非常に多くの反響を頂きました。発売前日記念ということで、もう一度1話を見直していて気がつきました。
絶望した! 第1話を見返していたら
三味線の構えがひどくてさらに絶望した! (笑)
以前のエントリーでは、
・撥の持ち方
・右腕の置き方
と、主に右手・右腕について解説しました。
今回は、左手のお話です。
まずその前に、前回では取り上げていなかった、
三味線の胴に胴掛けがなかったことを指摘しておきます。
戦国時代の末期や江戸時代の絵画を見ると、胴掛けがないんですが、
現在では「胴掛け」というカバーを掛けて演奏します。
これは、汗をかくと右腕の湿気が皮に移って、
のびてしまうのを防ぐ効果があります。
また、滑り止め(ただし、胴掛けしてても結構滑りやすいので、腕を舐めて湿らせたり、ゴム敷きを使うことも多い)や、装飾といった機能もあります。
こちらが胴掛けをしていない状態。
オープニングを見ていたら、胴掛けをしていましたね……。
描いていた人が違うんでしょうか……。
そしてここからが本題。
画像にも書きましたが、簡単に説明します。
ちなみに、ここでは手袋をして撮影してますが、実際の演奏では手袋は使いませんのでお間違えないよう。
・小指を使っている
アニメ・特撮に出てきた邦楽たち〜『薄桜鬼 黎明録』編〜三味線の構えがひどすぎて絶望した! (笑)でも説明しましたが、三味線の演奏は特殊な場合を除いて人差し指、中指、薬指の3本で弦を押さえます。ギターのように小指を使わないのは、指の腹で押さえるのではなく、爪で弦を押さえるためです。小指だと、爪で上手く押さえることができないため。
×の左に見える茶色いものが、指掛けです。これは、汗などで滑りにくくなるのを防ぐ効果があります。
・指全体が寝ている
こちらも薄桜鬼 黎明録で少し説明しましたが、手を丸めるようにして爪を指板に立てて弦を押さえます。フレットがないのと、指の腹で押さえるとサワリ(開放弦や4の勘所などを押さえると、ビ〜ンという音がすること)が鳴らない、きれいな音がしないといった理由から、ギターとは全然違う押さえ方をします。インドのシタールに近いかもしれません。
ギターと違って、三味線は親指を棹に対して垂直に立てた状態で演奏します。「グッジョブ」みたいに親指を立てた状態で、人差し指の部分を棹に軽く乗せる感じにすると分かりやすいかも。常にこの状態で弦を押さえます。三味線を題材にしたものではないにもかかわらず、ちゃんと描かれているアニメがありましたので、近いうちにご紹介しようと思います。
・指掛けを使っていない
これも胴掛けと同じで、遙か昔にはなかった小道具ですが、あると大変便利。なるべく目立たないように作られているので、見逃してしまうのは仕方ないかもしれません。
・ギターのコードと同じように押さえている
弦の押さえ方は、一見ギターと同じように見えて実は非なるもの。クラシックではない普通のアコースティック・ギターだと、オープンコードでFMaj7を押さえるとこんな風になります。
親指の位置は余り気にする必要がないんですね。というのも、ギターは複数の弦を押さえて和音を奏でる必要があるからなんです。その点、三味線は基本的に単音。二の糸と三の糸(真ん中と下の糸)を一緒に鳴らすことはありますが、コードを押さえるようにはできていないので、ここが西洋音楽との大きな違いです。
「音をたくさん積み重ねているから、西洋音楽の方が優れている」という人がよくいますが、それは間違い。それぞれ独自の発達を遂げてきた音楽なので、比較して優劣を競うことは間違っています。和楽器を使って現代邦楽の作曲をしている方の中にも、和楽器には低音がないからダメなのだ、と平気で言う人がいますが、それは和楽器の特性や音楽の歴史をちゃんと見ていない(余りに西洋音楽が普遍的な音楽と考えている)ところに問題があります。
さて、ディスクでは撥の持ち方や
こうした構えは修正されているのでしょうか……。
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コメント
私気になります!!
終わっちゃいましたね氷菓…
発売日26日って明日じゃないですかー!!
よくよく観たらOPの三味線の持ち方もおかしかったですね
多分気づいてると思いますが…
報告お願いします
なるさん
書き込みありがとうございます!
喜んで頂けたようで、光栄です。
最近のアニメは、OPを飛ばして
本編だけを見ていることが多いんで、
もう一度見直してみますね。